絶対おいしい牛肉の選び方 教えます!
11月29日は「いい肉の日」。

スーパーで牛肉を選ぶ時、国産牛と和牛で値段が倍も違い、さらにA4等級やA5等級とつくと一段と高くなる。高くなるには理由があるはずだがご存じでしょうか。おいしい肉を楽しむための基礎知識をお教えします。
飼い方や地域で異なる同一品種のブランド牛
まず牛は大きく肉牛と乳牛に分かれます。乳牛は白黒模様のホルスタインやジャージー種が主です。肉牛はいわゆる黒毛和種などの和牛や和牛と乳牛の掛け合わせである交雑種と呼ばれるものが主流ですが、通称である国産の和牛と呼べる牛は4種類に限られています。
1つ目は「黒毛和種」です。これはサシが入りやすく、近江牛や松阪牛、神戸牛などが代表的です。黒毛和種という品種は同じでも、飼い方や地域で神戸牛になったり近江牛になったりするのです。2つ目は「褐毛和種(あかげわしゅ)」で赤身の強い肉です。脂が少ないので、伊勢丹でも父の日に贈るという人がいらっしゃいますね。熊本のあか牛が代表的です。3つ目は「無角和種」という角のない和牛で、これは山口県の一部の地域だけで飼われています。最後は「日本短角種」で、岩手の短角牛が有名です。圧倒的にシェアが大きいのは黒毛和種ですが、褐毛和種も人気です。最近はそれ以外に国産牛というカテゴリがあります。

知ってましたか?牛肉の等級はおいしさの指標ではないんです!
牛肉の等級はお肉のおいしいランクのように思われがちですが、そうではなく、歩留まりとサシの入り方で分けています。歩留まりというのは、骨や内臓や筋を取り除き、肉として販売できる部分がどれだけあるかというランクのこと。Aランクは一番お肉になる部分の多く、Cランクが一番少ないんです。
また、1~5というのは肉質です。サシがどのくらいか、色合いはどうなのか、カラーチャートの基準に当てはめて分類したものです。肉質は5番が最高ですが、それはサシの入り方が最高ということです。おいしいかどうかは個々人の好みによります。脂が苦手な人であれば、ランクが低いほうがおいしいと思う人もいるでしょう。
おいしい輸入牛肉の選び方もあるんですよ!
日本人にははどちらかというとやわらかい牛肉がおいしいとされています。
やわらかい輸入牛の品種として、最近はアンガス牛が出ています。
アメリカでは硬いステーキが好まれることが多いのですが、アンガス牛はアバディーン・アンガス種という種類で、黒毛和牛ほどではないものの、日本人にも好まれるような比較的やわらかい食感で、輸入牛の中では高い評価を得ているようです。また、アイルランドの牛は穀物ではなく牧草だけを食べさせて育てます。それゆえ、肉に牧草牛特有の香りがあり、肉好きな人たちの間で人気があります。
輸入牛は国産牛と比べ、独特のにおいが強かったり癖があったりしますが、玉ネギに漬け込んだり、ニンニクを多目に使うことで、おいしく食べることができると思います。
最後にお伝えしたいのは、おいしい肉を食べたい時はお肉屋さんに何を食べたいかを伝えて、お薦めを選んでもらうのが一番ということです。その上で、あえてお薦めするとすれば、やはりシャトーブリアンではないでしょうか。ヒレ肉の芯の一番おいしい部分で、牛1頭からわずか2~10キロしかとれません。脂が少ないのにやわらかいので、ステーキで召し上がるのが一番だと思います。
中にはシャトーブリアンでハンバーグを作ってほしいというお客様もいらっしゃると聞いたことがあります。

1人前で数万円もするようなハンバーグなど、一般庶民にはとても手の届く話ではないが、1年に一度の「いい肉の日」である。少し奮発して、おいしい肉を堪能してみてはいかがでしょうか。



